50 Q&A with Shoichi Uchiyama 機能的でシンプルなフォルム。ミニマルな美。自然光の良さを取り入 れたいという情熱。こういった要素はデンマーク・デザインに欠かせ ないものですが、同時に日本の伝統的美意識の基礎でもあります。 東京を拠点に活躍するデザイナー、内山章一にとっても同じです。こ ういった背景を考えると、ルイスポールセンと内山章一との間に友 情が生まれたのは不思議なことではありません。2003年に初のコ ラボレーション作品として誕生した白いシェードのエニグマペンダン トが、今度はエレガントなブラックで新しい表情を見せてくれます。 文化と伝統、そして制作プロセスを尊重し、新しいインスピレーショ ンを追求するヴィジョンについて、内山章一にインタビューしました。 あなたにとって、「良い光」とはどんな光ですか? 人や物を自然に見せ、ナチュラルな空間を生み出し、空間に 美しい雰囲気を作り出すことにより、快適で心地よい日常を 生みだす光です。 日本の照明デザインがもつ特徴はどのようなものだと思い ますか? 日本では、太陽光、月明かりなど、外部からの光を巧みに室 内空間に取り込む照明手法がありました。また、自然光と光 源の光を、自然素材の和紙などをフイルターにして柔らかな 光に変換し、落ち着いた空間作りがなされてきました。 日本人とデンマーク人には類似する特徴が あると言わ れて いますが、あなたもそう思いますか? デンマーク人も日本人も出しゃばらず、謙虚な姿勢の国民性 に共通のイメージを浮かべます。また、同じく海に囲まれた国 であり、豊かで美しい自然と、柔らかな光を好むところに類 似点を感じます。 日本人はインテリアにおいて光をどのように使いますか? 光源がLEDに変化して、住宅での光の使い方も変化してきて います。ライン型直線のLEDを間接光として、壁面や天井面 に柔らかな間接光を作り、ベース照明とする方法が主流にな
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